2010年93

共産党一党独裁中国でも保守派と改革派で暗闘が

野球ではサインの交換がバッテリー間で上手くゆくことが重要であるが、中国の行政ではサインはサインでも、ペンで記名するサインに一定の決まりごとがあると、地方政府の元幹部が白状している。歴史的にも贈収賄大国と言われる中国だが、サインにはルールがあり、記名のフォーム?の暗黙の了解を理解していなくてはならないようだ。横書きだったら「督促がなければそのままほおっておく」、縦書きなら「良い結果をだすように処理する」、「同意」という字の後に「黒点」を書いたら「絶対良い結果を出すこと」など、サインひとつにも多くのノウハウが、5000年中国の官僚の歴史から引き継がれているようだ。

 

俗に給与の良い企業は仕事がきつく、給与が安い企業は仕事が楽で、余禄もそこそこと言うのが日本でも世の習いだが、中国でも地方政府の役人は国家公務員ほど給与が良くない分、それなりの不正などの余禄や、第二、第三職業ができると言う。

 

共産主義国家の中国企業が、最近では世界ベスト企業500のランキングに入っているが、ほとんどが中国国有企業であり、国家を背景にしたこれら企業と、諸外国の自己責任で資本主義社会でがんばっている企業とを、同じ土俵で論じること自体が滑稽であるが、ここではそれは後日の問題として、中国の国有企業は民間企業に比べて、金融やあらゆる法律面で大きく優遇されていると言われる。石炭や石油採掘、航空機産業、製鉄、鉄道、通信などおいしいところは全て中国政府系が押さえているのである。独占が許されるこれら国有企業、かつての「3公社5現業」時代の日本そのもので、経営効率の悪さは極め付きである。独占で暴利をむさぼり、政府の庇護の下、金融機関の支援も間違いなくあり、経済開放された際を踏まえた、長期的な観点での経営効率をこれからは考慮する必要がありそうで、当初の民間企業の規制緩和と国有企業の解体と言う約束は未だ果たされていないことに中国政府は何と答える。

日本では国民不在で、民主党内で「小沢グループ」と菅グループで、次期代表、首相の座を目指し議員数を集めるのに躍起になっての暗闘の最中だが、反対論陣を張ったり、責めるのは得意な市民派出身の菅首相は「1にも、2にも」、そして「3にも」「雇用」だと声高に言うも、政治のこの体たらくを反映して、株安・円高が止まらず企業はアップアップ、それではと企業は生き延びるために海外に逃げて雇用は減るばかり、もちろん法人税や所得税などの税収も減ることは自明の理であり、ドラスティックな緊急経済対策そっちのけで、「雇用」をこれほど言うとは、新しい経済学理論でも吹きこまれたのか。福祉や公共事業など「国民受け・有権者受け」する、カネの出る話題ばかりでは国家経済の舵取りはいかがなものか。政治家とは国家観をもって、ある時は国民受けしないことも100年の大計に立って、嫌われても実行できる度量がなくてはいけないのではないだろうか。中国では災害が起きると必ず温首相が即、現場に飛んで指揮している映像が日本でも見られるが、その温家宝首相はわが身を顧みずに、敵を作っても、共産党幹部連からうとまれても、13億人の人口を抱える国家の大計のために命を掛けていることが伝わってきている。

中国では地方政府の役人は自分で智恵を絞って稼げ、国有企業は共産中国政府がバックアップするから安心して稼げ、が今の中国のようだが、それでは汚職大国中国の改革はできないとばかりに、温家宝首相は従来に増しての「政治改革」に厳しい意見を事あるごとに提言している。経済改革は鄧小平氏が指揮し、今の繁栄した中国があるも、政治体制の改革を推進しなければ、鄧小平氏の経済改革の努力が無駄になると、温首相は中国の今に懸念を示している。保守派の代表的な組織である、共産党幹部の子弟の集まり「太子党」と、温氏や中国国防大学劉亜州将軍などの改革派の闘争はいよいよ表面化し、次の第18回党大会までの2年間は、中国共産党政治体制の動きからは、目を離せない状況になっている。旧ソ連がペレストロイカでゴルバチョフを生んだような状況下と同じように、新生中国も当初予想の、いま学歴詐称問題で窮地の「習近平」か、台頭著しい李克強か、はたまたダークホースの「王岐山」副首相か、それとも予想外の人物が国家主席として出てくるのか、その前に温首相が胡耀邦や趙紫陽のように「抹殺」されてしまうのか、経済ばかりでなく、大きなうねりとなった政治改革も中国で起きるのか、興味が湧いてくる昨今である。

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